いくらいい塗料を使っても、塗料の保管状態や塗装のやり方が良くなければ、
塗料がひび割れしたり、泡が出たり見栄えが悪くなってしまうことがあります。
今回は塗料がどのような原因で劣化したり、どのような塗装で塗膜の仕上がりが悪くなってしまうのかを解説していきます。
塗料の状態によって発生する欠陥
薄膜ができる
塗料の保管時、密封が完全でないと、空気が侵入し、塗料の表面が空気に接触してしまいます。接触した塗料は固体に変化してしまい、その結果表面に薄膜が張ってしまいます。塗料が空気に触れる割合や、塗料自体の粘土が大きいほど薄膜は発生しやすくなります。塗料を保管せざるを得ないときは、塗料表面をサランラップやポリフィルムで覆いましょう。
ゼリー状になる
塗料の薄膜が進行すると、塗料の粘度が高くなり、流動性が失われます。塗料の流動性が失われる現象はゲル化と呼ばれており、ゲル化が進行すると、塗料はゼリー状に変化します。ゲル化を抑えるためには、希釈して粘度を低くすることが可能です。また、貯蔵温度が高いと、顔料と展色剤が反応しやすくなりゲル化が進みやすくなるため、涼しい場所に置くのも効果的です。
分離・沈降する
塗料の保管期間が長いと、顔料と展色剤が分離し、重量のある成分が沈殿します。沈降の程度が小さい場合は、撹拌することで普通に利用できます。ただし、沈降の程度が大きい際は、撹拌しても再度分離するため、再利用できません。分離・沈降の対策をしたいのであれば、1年内に塗料を使い切りましょう。
塗装時に発生する欠陥まとめ
たれ、たるみの発生
塗料を厚塗りしすぎると、塗料が垂れ、塗った箇所に不自然なでこぼこが発生します。一度に塗る塗料の量を少なく、均一に調整して塗ることで、防止できます。もとから垂れやすい特徴を持つ塗料の場合は、たれを抑えてくれる添加剤を混ぜましょう。また、強風の日は特に垂れが発生するため作業日を選ぶこともおすすめです。
刷毛目、ロール目の発生
塗料の粘度が高かったり、ハケやローラーの使用方法が雑だった場合、塗った箇所にハケやローラの跡が残ることがあります。粘度の高さによる刷毛目、ローラー目を防ぐには、ハケの目を細かくしたり、薄手でできたローラーを利用しましょう。合成樹脂塗料も普通の塗料よりも跡ができにくいように作られているため、おすすめです。
ひび割れの発生
塗料が乾く際、表面のみが先に乾燥してしまうと収縮にアクシデントが発生し、ひび割れが出ます。表面と内側の乾燥のずれは厚塗りによって発生するため、厚塗りを避けることでひび割れの防止が可能です。先に塗った塗装が十分に乾ききっていなかったり、後塗する塗料が先に塗った塗料と組み合わせが悪い時も場合もひび割れが発生するため、完全に乾くまで待ち、さらに互いに組み合わせのいい塗料を選ぶことも重要です。
へこみの発生
塗膜が硬化する前の環境で塗膜がはねのけられてしまうとその部分にへこみが生じます。塗膜をはねのける不純物は水分のため、塗装面に付着している水分は施工前にすべてふき取ります。厚塗りもへこみの、はじきの原因になっているため、厚塗りは控えましょう。
泡の発生
硬化する過程で、厚塗りや高温で水分や空気の流れが遮られると、塗膜に泡が立ったような跡が発生します。これらは厚塗りの防止や高温時の施工の回避で防げます。
しわ、よじれの発生
過剰な厚塗りや、先に塗った塗装の硬化が完了する前に新しい塗装に進むと、しわやよじれによる凸凹が発生します。これらの現象は、特に油性塗料で起こります。厚塗りの防止や、先に塗った塗装を最後まで硬化させることでしわやよじれうぃ防げます。また、高湿度の環境でもこの現象は起こるため、こうした場で施工をしないことも一つの手です。
白化・ブラッシングの発生
温度や湿度が施工環境に適さない状態で塗料を塗ると、塗膜が白くなり、艶が失われることがあります。これらの現象は、高温多湿の環境で、施工を行わないことで避けられます。結露が出る環境でも白化・ブラッシングが発生しやすいため気を付けましょう。
つやびけの発生
塗料を希釈しすぎたり、組み合わせが悪い塗料を混ぜると、艶が失われたことによる光沢のない塗膜が出ます。正しい塗料の希釈方法や利用方法は塗料メーカーが発表しているため、それに沿った方法で塗料を使用しましょう。
色むら、色わけの発生
塗料の撹拌が足りなかったり、過剰に希釈すると顔料や樹脂が硬化時に分離し、色むらや斑点が塗装した箇所に発生します。厚塗りをせず、適切な希釈率で塗料を使うことで色むら・色わけが防げます。
塗料が乾燥しない
低温高湿の環境で塗装を行うと、長時間経過しても塗料が硬化せずに塗膜がべたついた状態になることがあります。低温高湿の環境下で施工をしないことで塗料の乾燥不足を防げます。
塗料以上に大事なことはそれを使う職人だ
塗装というと簡単と思われがちで、実際ご自身で塗装される方も多いです。
ただ、塗料をより長く持たせ、見栄えを綺麗にするためには、ここまで解説してきたように、
塗料を丁寧に保管する
適切な希釈を行う
均一に塗布する
上記のような施工品質を高く保つための行動が不可欠になります。
ペイントラインは無機塗料メーカーであるため、
無機塗料は他の塗料以上に塗装に気をつける必要があります。
そのためペイントラインでは加盟した塗装会社のみが商品を扱える
制度を取っています。
どの会社に依頼しても高品質な工事をお約束しますので、是非お近くの会社に依頼してみませんか?